【中学受験の伴走者】国語力アップのために保護者がすべき10の具体策

中学受験に向けた国語力を高めるためには、保護者のサポートが重要です。ここでは、子どもの国語力を効率よく伸ばすために、保護者ができる10の具体策を紹介します。ぜひ、日々の学習に役立ててください。

国語力アップのための10の具体策

[1]親子で教材の内容を話し合う

中学受験の国語教材には、大人向けの視点で書かれた文章が多く含まれています。例えば、歴史的な出来事を取り上げた評論文や、社会問題を扱った説明文など、子どもには少し難しい内容もあります。こうした文章を、子どもと一緒に内容を振り返ることで、子どもは文章の理解を深めることができます。また、大人の視点を学ぶことで、物事を多面的に捉える力も養われます。

親子で様々なテーマについて意見を交換することが、記述問題の対策にもつながります。親が積極的に子どもに内容を尋ねたり、感想を共有したりすることで、子どもにとって文章がより印象深くなり、記述問題への対応力が向上します。

[2]メディアを活用した対話のすすめ

ニュースやドキュメンタリー番組を親子で視聴し、その内容について意見を交わすことも、国語力向上に役立ちます。ドキュメンタリーは、現実の出来事をもとにした内容が多く、子どもが社会の問題や人々の努力について学ぶ良い機会となります。番組を通じた親子の対話は、子どもが多角的な視点を持つ力を育てるだけでなく、親が子どもの意見に共感しながら話を聞くことで、批評力や思考力を養うことができます。

[3]子どもの発言に対する適切な指摘と指導

子どもが自分の考えを言葉で表現する際、保護者が適切な指摘や質問を通じてサポートすることで、論理的思考力や批判的思考力を効果的に鍛えることができます。特に、子どもが難しい語句や慣用句を誤って使った場合、その語源や正しい意味を一緒に調べることが大切です。こうした指導を通じて子どもは語彙の豊かさだけでなく、言葉の正しい使い方を身につけ、文章や対話の中でより的確な表現を選べるようになります。

また、親が子どもの発言を最後までしっかり聞き、その内容を尊重する姿勢を持つことも重要です。子どもの意見や考えを尊重しながら、時には異なる視点を提供することで、子どもは自分の考えを深めたり、新たな視点を取り入れたりする機会が増えます。

[4]国語の問題を解く手順を確認する

国語の問題を解く際には、正確な手順を身につけることが非常に重要です。まず、設問を読んで「何を問われているのか」をしっかり理解することがポイントです。その際、設問のキーワードや疑問詞(「なぜ」「どのように」「どこで」など)に注目し、答えを探すべき範囲を特定します。

また、文章全体を理解しないまま選択肢を選ばないことも重要です。選択肢を読む前に、問題文の該当箇所やその前後を読み直して、まずは自分で答えを考えることが大切です。解答を選ぶときは、明らかに間違っているものを除外し、残った選択肢の中から、設問に最も適したものを選ぶと良いです。こうした手順を定着させることで、国語のテストや受験問題に対しても冷静に対応できるようになります​。

[5]本文に線が引けているか確認する

読解問題において、文章のどの部分に注目すべきかを知っておくことも大切です。特に、登場人物の感情を表す部分や場面の変化が現れる箇所には線を引き、整理する習慣をつけましょう。例えば、気持ちの変化や出来事の流れに応じて、感情がプラスからマイナス、またはその逆に変わるところに注意し、それが物語全体にどのような影響を与えるかを考えると理解が深まります​。

また、比喩表現や対比表現、筆者の意見を示す言葉(「重要」「〜べき」など)にも線を引いて、内容を整理することが効果的です。文章全体を通して筆者の主張や意図を正確に把握するためにも、要点に注目する習慣を持つと良いでしょう​。

[6]指導者とコミュニケーションをとる

[4][5]で具体的な指導について述べましたが、実際にご家庭でお子さんを指導される場合には、注意が必要です。指導者(家庭教師や塾講師)と違う指導をしてしまうとお子さんは混乱してしまいます。また、精神的に成熟していない小学生を指導する場合、親の大学受験での経験で読解技術を教えてしまうことも得策ではありません。専門の指導者に任せるべきです。

指導者とコミュニケーションをとることで、家庭での学習方針をしっかりと共有することができます。学習課題や弱点を指導者と話し合うことで、より適切な教材や復習方法を選んでいきましょう。また、定期的なフィードバックを通じて、進捗状況を確認し、問題が発生した際にはすぐに対応することが可能です。

[7]音読の学習を取り入れる

音読は、国語の基礎力を効果的に鍛えるための非常に有効な方法です。文章を声に出して読むことで、文字だけでなく、音としても言葉を体感することができ、文章のリズムや構造、表現の使い方をより深く理解することができます。特に小学生にとっては、音読を通じて文章全体の流れをつかむことが、読解力の向上に直結します。難しい文章や言い回しも、繰り返し音読することで自然と頭に入りやすくなります。

音読をする際の、保護者のサポートも大切です。お子さんが読み間違いや読み飛ばしをしていないか、確認してあげましょう。読んでいて「意味がわかっていないのかな」と感じた言葉の意味を教えることも重要です。音読をする文章は、塾や模試で解いた説明文や物語文で構いません。短時間でも継続的に取り組みましょう。

[8]読書への関心を高める

子どもが読書に興味を持つためには、まず自分で本を選び、自発的に読む環境を整えることが重要です。図書館や書店に親子で出かけて、子どもが興味を持った本を自由に選ばせることも、読書習慣を形成する良いきっかけになります。また、親が同じ本を読み、感想を共有することで、家族で楽しむ体験へと広がります。

さらに、読書量に応じて具体的な目標を設定することも効果的です。たとえば、「週末までに1章を読了する」といった目標を立て、それを達成した際には適切に評価してあげましょう。ただし、外的な報酬や評価だけに頼るのではなく、読書そのものの楽しさを感じられるように、読書の内容や感動を共有するなど、内発的な動機づけを引き出すことも忘れずに心がけましょう。

[9]国語の学習計画の作成

効果的に国語力を向上させるには、無理のない学習計画が重要です。保護者が子どもと共に計画を立て、日々計画的に進めることで、バランスよく学習を進めることができます。例えば、平日は漢字の学習や文法の復習、週末には読解問題に取り組むなど、日々の目標を具体的に設定することがポイントです。単に「国語を勉強する」と漠然とした目標ではなく、「週末に読解問題を1問解く」といった具体的な目標を立てましょう。

また、短期・長期の目標を組み込み、定期的に進捗を確認して修正を加えることで、子どもは達成感を得ながら着実に学習を進められます。

[10]教材のファイリングと整理整頓

子どもの教材やプリント類は、散乱すると学習効率が下がります。保護者が定期的にファイリングを行い、問題集やプリントを科目や分野ごとに整理しておくことが大切です。特に国語では、過去問や模試の結果など、振り返りが重要な資料が多いため、これらを一目で見つけられる状態にしておくことで、子どもが効率的に復習できるようサポートしましょう。

子どもが間違えた問題には付箋を貼り、後から簡単に見直しができるように準備しておくことも効果的です。間違えた問題には簡単なメモを残し、どの部分で間違えたのか、次回注意すべきポイントを書いておくと、復習が効率的に進みます。

まとめ

中学受験に向けた国語力の向上には、親子での取り組みが欠かせません。教材やプリントを整理整頓し、子どもが効率よく学習できる環境を整えることが大切です。親子で教材の内容を話し合ったり、ニュースやドキュメンタリーを活用した対話をしたりして、子どもの思考力や表現力を育てることも役立ちます。日常的に言葉について教えていくことも、語彙を増やすために重要です。

家庭では、語彙力や表現力を補う支援に重点を置き、子どもが文章に対して興味を持ち、自分で考えを深められるような環境を作るようにしていきましょう。こうしたサポートにより、保護者が子どもの学習を後押しし、国語力向上に貢献できるでしょう。

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