中学受験直前期は、お子さんだけでなくご家庭全体にとっても緊張が高まる時期です。保護者の方々も、お子さんへの接し方やサポート方法について様々な不安を抱えているのではないでしょうか。そこで、本記事では、これまで多くの受験生とその保護者を支えてきた経験から、受験直前の「体調」「メンタル」「学習」「スケジュール管理」における大切なポイントをご紹介します。
受験直前の4つの心構え
1. 体調管理 – 本番で実力を発揮できるように
冬の受験シーズンは風邪やインフルエンザが流行する時期です。入試当日に万全な状態で臨むためには、日々の体調管理が重要です。以下の点に気を配りましょう。
基本的な感染症予防: 家族全員で手洗い・うがい、マスク着用を徹底します。外出は控えめにし、睡眠時間の確保やバランスの良い食事を心がけましょう。
朝型生活を意識: 入試本番は朝早くの集合が多いため、早寝早起きを習慣にしましょう。夜寝付けない場合は、早起きさせる、軽い運動を取り入れる、寝る前にスマホやテレビを控えるなどの工夫を取り入れると効果的です。しかし、どうしても朝型になれないお子さんもいます。そのような場合は、無理をさせないことをおすすめします。朝起きられないことで、親子関係が悪くなることは避けてください。
2. メンタルケア
お子さんのメンタルケア
受験は人生で最初の大きな試練です。直前期は多くの子が不安を感じ、プレッシャーで普段と違う様子を見せることもあります。以下のようにサポートしましょう。
いつもと変わらない態度で: 中学受験が近づくと、保護者もついお子さんの成績や受験結果が気になり、普段よりも接し方に力が入ってしまうことがあります。しかし、お子さんが安定した心で受験に臨むためには、いつもと変わらない態度で接することがとても大切です。親の姿勢や態度が落ち着いていることで、お子さんは「自分は守られている」「どんな結果でも受け入れてもらえる」と感じられ、余計なプレッシャーを感じずに安心して取り組むことができます。
適度なリラックス方法を提案: 受験勉強の緊張が続くと、お子さんも体と心の両方に負担がかかり、疲れがたまりやすくなります。長期にわたる受験準備では、適度なリフレッシュを取り入れながら学習効率を高めることが大切です。保護者の方からも、お子さんが楽にリラックスできる時間を意識してあげましょう。具体的なリフレッシュ方法は、以下のようなものが挙げられます。
- 軽い運動で気分転換: 散歩やジョギングなど、外の空気を吸いながらの軽い運動は、気分をリフレッシュさせるのに効果的です。
- おやつの時間やティータイム: 集中力が途切れたときや気分転換が必要なタイミングで、おやつの時間を設けるのも効果的です。
- 好きなことに少しの時間を: 学習以外の趣味や好きなことを短時間でも楽しむことは、緊張を和らげるのに役立ちます。たとえば、好きな漫画や本を読む、音楽を聴く、ゲームを少しするなど、「受験のことを忘れる時間」を取ることが、心をリフレッシュさせるきっかけになります。
親御さんのメンタルケア
中学受験が近づくと、お子さんだけでなく保護者も大きなプレッシャーを感じる時期になります。受験に向かうお子さんが安心して取り組むためには、まず保護者が落ち着いた心を保ちましょう。
「自分だけの時間」を確保する: 受験期には、どうしても子どもの勉強や受験のことばかりが頭を占めてしまいがちです。しかし、気持ちに余裕を持つためにも、一度受験のことを忘れ、少し離れて「自分のための時間」を意識して過ごしてみましょう。
「コントロールできないこと」は深く考えない: 受験には結果や合格の可否といった、親ではどうにもならないことも多く含まれています。不合格だったらどうしよう、失敗してしまったら…と不安が募るかもしれません。しかし、そのように「自分の力では変えられないこと」については、できるだけ悩み過ぎないように心がけましょう。
悩んだら「専門家に相談」する: お子さんの受験に関して一人で抱え込まず、学校の先生や塾の講師など、信頼できる相手に相談することも大切です。特に塾の講師は中学受験のプロであり、同じような不安を抱えるご家庭をサポートしてきた経験も豊富です。客観的な意見やアドバイスを聞くことで、状況が整理され、気持ちが軽くなることもあります。
3. 学習内容の最終確認 – 新しいことは控え、復習中心に
直前期は、新しい内容を学ぶよりも、これまでの知識の整理が重要です。効率的な学習計画を心がけ、次のように進めましょう。
過去問を使った実践練習: 志望校の過去問を繰り返し解き、出題傾向に慣れることが大切です。過去問は「正解かどうか」よりも「理解できているか」「解法が身についているか」を確認する視点で取り組みましょう。
模試の復習: これまでの模試を振り返り、苦手だった問題を再確認することは直前期に効果的です。模試で間違えた問題を克服することで、自信がつき、本番でも冷静に対処できる力が養われます。
市販の問題集には注意: 直前期に市販の新しい問題集に手を出すと、理解が不十分なまま不安だけが増すこともあります。どうしても必要に感じる場合は、塾の先生に相談しましょう。
4. スケジュールと受験校の確認 – 準備を万全に
出願や合否確認などの手続きを正確に進めるため、スケジュール管理を徹底して行いましょう。
出願手続きと合否確認の準備:出願校の出願日・方法・発表方法をすべて確認し、いつ・どの方法で確認するかを決めておきます。また、WEB発表のアクセス集中にも備え、複数の確認方法や家族での役割分担をしておくと安心です。
代替校の併願計画:第一志望だけでなく、確実に合格できる併願校も考慮しておきましょう。万が一の際も冷静に対応できるような準備が、お子さんに安心感を与えます。
受験スケジュール表を作ろう
併願校のスケジュール調整や出願準備を確実に進めるため、「受験スケジュール表」を作成して各作業の日程を見える化することが重要です。このスケジュール表には、以下の情報を詳細に記入します。
[受験スケジュール表の内容例]
- 小学校報告書(調査書)作成依頼
依頼日・受け取り予定日: 小学校に報告書作成を依頼する日、受け取り予定日を明記します。 - 写真撮影と受け取り
撮影日・受け取り予定日: 願書に貼る写真撮影日と受け取り予定日を記載します。写真が遅れないよう、早めに準備しましょう。 - 願書の提出期間
提出方法: 志望校ごとの提出期間や提出方法(郵送、WEB、直接持参など)を記入します。年末年始の休業期間も考慮し、余裕を持ったスケジュールを設定しましょう。 - 受験料の払込期間
受験料の振込期限も記入し、忘れないように。振込方法(銀行振込、ネットバンキングなど)も確認しておくとスムーズです。 - 入試日時
集合時刻・会場: 各学校の入試日時、集合時間、会場を明記します。天候や交通状況によっては余裕を持った移動計画が必要です。 - 送迎計画
入試当日の送迎の詳細(誰が送迎を担当するか、家族で分担する場合はその役割分担も)を記載します。 - 合格発表日時と方法
各学校の合格発表日、発表形式(WEB、郵送、校内掲示など)を記入し、家族で確認します。発表時間が重なる場合は誰がどの学校を確認するか役割分担を行いましょう。 - 入学手続き期間
入学手続き締め切り日を明記し、手続きが完了できるよう計画しておきます。 - 入学予定者登校日やオリエンテーション
合格後の入学説明会や登校日程もスケジュールに入れ、準備が漏れないようにします。
受験期の心構え – まとめ
中学受験を控えた直前期は、ご家庭全体で一丸となってお子さんを支える重要な時期です。今回は保護者が意識すべき「体調」「メンタル」「学習」「スケジュール管理」に関するポイントをまとめました。
中学受験の直前期は、親子で支え合い、落ち着いて乗り越えることが大切です。焦らず、いつも通りの生活を保ちながら、家族みんなで心を合わせてお子さんをサポートしましょう。このような準備と心構えが、お子さんにとって大きな安心感となり、最後の追い込みで実力を発揮できるようになるはずです。
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